臨界期とは?
耳にしたことのある言葉かもしれませんし、初めて聞いた方も多いでしょう。
産休が明け社会復帰をお考えのお母さん、我が子をいつから保育園や幼稚園に入園させるといいかを悩んでいるお母さん、ぜひこれを読んだうえでご検討ください。ネットからも学術的な論文を閲覧することができますが、専門用語が多くてわかりにくいあなたへ…お家で子育てをお考えの方は、特に覚えてほしい言葉です。
「味覚は〇歳から…」
「英語を覚えるためなら△歳から…」
多方面で語られていますし、これを強みとしてアピールしている園もたくさんあります。
微妙に時期が異なるものもありますので「じゃあ〇歳になったらこれに力を入れて…」と計画的に取り入れようとしていた方もいるかもしれません。全部大切にしなくても生後半年〜1歳半ここを最も大事にしてください。
我が子が生まれて、生後半年〜1歳半
この期間は一緒にいる時間を特に多く持ってください。
いっぱい子どもと目と目を合わせて笑いあったり、抱きしめてあげてください。
そして一緒にたくさん遊んだり、いろいろなことをやってください。
臨界期(生後半年〜1歳半)は、な時期です。
この時期を大切にすることで、味覚も音感も全ての基礎ができるといっても過言ではありません。
子育てにおいてはこの時期は、成長速度が早く、目を離せなかったり手のかかる日々ですが、この時期を大切にするのとしないのとでは将来にクル反動がとても大きく、重要になってきます。
お母さんと我が子の絆が深まること、専門用語で“愛着関係(アタッチメント)”と言います。
臨界期は、この愛着関係における重要な「オキシトシン受容体」を多く作り出す時期だということが証明されています。
しかも、長い人生の中でこの時期にしか訪れないという人生一度の貴重な機会であるというのです。
ということは、論文を見ても読み取れると思うのですが、「オキシトシン受容体」とは、何か?をわかりやすく解説します。
(イラスト参照)
名の通り、オキシトシンを受け止める媒体が、「オキシトシン受容体」です。
そもそもオキシトシンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、年齢や老若男女問わず皆さんがふとした瞬間に
嬉しい!
楽しい!
最高!
などと、快い気持ちをその都度感じた時に自然と体内で分泌されます。
このことが一番傍にいる大好きなお母さんとの間で蓄積されていくことで、子ども自身は産まれてきてよかった幸福感を感じ、人とふれあうことや自分の感情を表現することをより楽しく感じるようになります。お母さんの元を離れて子どもだけで集団の中に入った時でも心の糧になり、同じように安心して自分を表現でき、他者とも同じように関係を自ら創り上げることができます。
受け止める媒体「オキシトシン受容体」があることで、嬉しい感情をもらったままにしない、ということです。
快い感情が湧く、誰しも「もっと欲しいな、また欲しいなあ」と欲が湧きます。
「幸せだなぁ」と思わせてくれるオキシトシンが分泌されている状態が、オキシトシン受容体があることで「当たり前のこと」と認識しないようになります。
そうなると、快い感情の余韻から、自分の心に記憶する、コントロールしながら自分なりの考えが芽生えます。
指図されたわけではないのに自分だけでなく相手や周囲にも同じ良い想いを届けたい、奉仕や無償の感情の芽生えにもつながるのです。
かつて東京都秋葉原で起きた無差別殺傷事件はじめ現在までに起こった部差別的な事件、
その犯人の背景を辿ったところ、専門家の間でこの臨界期、オキシトシン受容体の重要性が再認識されました。
乳幼児期の親子関係の歪みが、酷いと大人になってからの我が子を苦しめ人生を自ら損したり破滅に進んでいってしまう、そんな危険な側面も無くはないのです。
自分にできることがもっとあったのではないか、とお母さんには後悔してほしくないと私は思います。
このオキシトシンがただただ多く造られ、分泌されていることが幸せか?というとそうではありません。
快い感情が自らの持っている許容量以上分泌される現象は、麻薬や覚醒剤で作り出すことができてしまいます。
これに頼り切った末路は、容易に想像できると思います。
保育業界でも「非認知能力」見えない力を育むことを課題としています。
物事の出来る、出来ないではなく、
感受性や想像力、思いやりなどの道徳的な心の豊かさが、大人になってからも人生をより豊かにします。
社会復帰をお考えのお母さん、働き方を変えたいと思っているお母さん、我が子の
生後半年〜1歳半までの間は、極力時間を我が子と一緒に過ごせるように工夫してください!
我が子を全身で幸せで包み込んであげる「安全基地」になってあげてください。