大怪我はさせない安全な環境に
怪我が心配で目が離せない
安全という土台がしっかりあるからこそ、子どももすくすくと成長していきます。しかしこの時期は成長が早く、さっきまで安心してみていた子どもも「ちょっと目を離した隙に」と、急に事態が変化することが珍しくありません。棚の角等の鋭利な箇所や扉の隙間等、物理的な危険は100円ショップなどのグッズを使って危険を緩和できたとしても、転倒や打撲の危険は子ども一人でも起こってしまいます。お母さんも仕事と家事の傍らで、ずっと子どもを見ていられないという時だってあると思います。
予想される子どもの姿から安全を構築し、お母さんも片手間で見守る中、子どもが遊びに夢中になっている。「お母さんが離れていても見ていてくれる、困った時は助けてくれる」子どももその安心感があるから、一人遊びに集中出来ます。玩具が充実していることだけが一人遊びを充実させるものでもありません。一人遊びを促し且つ安全な環境が、子どもの成長も促すと共にお母さん自身の時間も生み出してくれます。
この月齢ですと、新しい物を買わなくてもお家にある枕やクッションなどで安全を守る事ができます。
おすわりが安定しない、一人だとすぐ倒れちゃう
(絵)
まだ不安定な子の場合は、壁を背にしてこのような環境を整えてあげることでより安定観が高まります。
子どもの胸下くらいの高さまで厚みをつけますが、両手は自由に動かせるか、をしっかり確認してください。
お座り時に、子どもそれぞれ癖がある場合が多いです。右に傾きやすい、よく左に倒れる等偏りがある場合は、その側のクッションの支えを強化してください。場合によっては、棚などで壁を作るのも有りです。
もし前のめりに倒れこみやすい(且つ自ら起き上がることが難しい)場合は、前にクッションなどを置くといいでしょう。これも両手を自由に動かせる高さか、を確認してください。
ちなみに、この傾きやすい癖が見られる場合、重心がそちら側に向きやすいまたはそちらで物を動かすことを子どもは得意としています。上級テクニックではありますが、癖が明確に分かった場合、玩具を動かすことができるのであればお母さんは提供時に普段倒れこまない方向にに玩具を置くように心がけてみてください。重心の傾きを改善し、左右のバランス感覚、筋肉の均衡を養えます。
つかまり立ちや伝い歩きが盛ん
手が届きそうで届かない距離の所にお気に入り玩具を置くと、「玩具を手にして遊びたい」という想いから手を懸命に伸ばす。その結果、つかまり立ちの姿勢が無意識に継続でき、成長が促されます。間隔をあけて、複数置いておくのも良いでしょう。
手すりや壁などに手をついて歩き始めた場合は、転倒の危険から守るために背中側に布団や毛布を敷いておくだけで頭部打撲の危険もある程度回避できます。立った時に手が届くか届かないかの高さの位置に飾りを飾っておくのも、立ちたい意欲が促されるでしょう。
倒れこんでしまって、自分でどうしようもできなかったりすると子どもはようやく「あ〜!」と叫んだり泣き出すでしょう。そうしたら「大丈夫?いっぱい一人で遊んだね」等と声をかけ寄ってあげてください。しかし、倒れこんでも泣き出したりしなかった場合もあります。その際は、少し様子を離れた所から眺めているのも有りです。泣き出してもたまにすぐ駈け寄らずに、この対応をするのもありです。自で「困った」という体験をエネルギーに、自分で身体を起こそうとしたり、仰向けなどの自分の落ち着く体勢に変化させたり、今まで見られなかった成長が見られるチャンスでもあります。その際に玩具にぶつかり青痣ができたりひっかき傷ができたりすることもあるでしょう。実は子どもの成長は、『安全な環境の元でのちょっとした困難』をきっかけに見られることがとても多いのです。転ばぬ先の杖、ということわざがありますが、この「杖」を人生経験が豊富な大人が外してしまうことで、子どもは世の中の道理や物理的な法則を学ぶ機会を失うことになってしまいます。大人と一緒でちょっとした困難や自分の失敗があり、子ども自身も「自分を守る」という意識が芽生えます。「大怪我にならないから大丈夫!何かあったら絶対助けるよ」とお母さんは気を焦らず、悠然と構えて見ていてください。